どうも、投資侍です。
今回は「企業型確定拠出年金」について話しをしようと思います。
長い名称なんで、以降は企業型DC(Defined[確定]Contribution[拠出])と略して言うことにしますね。
結論から言いますと、企業型DCでもインデックス投資ができるんです。
後ほど詳しく説明しますね。
「企業型DC」は企業に所属していて、なおかつその企業が導入してくれていないと加入できない年金制度なので、どの人でもやれるわけではありません。
私はサラリーマンで会社が「企業型DC(企業型確定拠出年金)」を導入していますので、加入して現在も運用しています。
ただ、加入した当時は会社で勧められるまま入っていて、実は詳しくは分かっていませんでした(^^;
このブログを書くにあたり、調べてみて「なるほど~」と思うこともあったので、私なりに説明しようと思っています。
企業にお勤めで、「企業型DC」に加入している人の中にも、私のように制度については詳しく知らないけど、会社に勧められるまま加入して、なんとなく運用している人はいるのではないでしょうか。
知識ががないために、節税になる機会を逃してしまったり、将来受け取れるお金が少なくなってしまったりと、結構もったいない運用をしている人もいるのではないかと思います。
改めて考えると、
「企業型DCってなんであるの?」
「企業型DCってどんな仕組みなの?メリットはあるの?」
「企業型DCではどんな商品を購入していけば良いの?」
と思う方もいるのではないかと思います。
なので、企業型DC(企業型確定拠出年金)について大まかなポイントをまとめてみました。
年金制度は奥が深いので、簡単なご紹介程度で話しをしようと思います。
まずは企業型DCの概要から説明していきますね。
企業型DC(企業型確定拠出年金)ってなんであるの?
まず、確定拠出年金について話をしようと思います。
「確定拠出年金」は大きく分けて2つあります。
- 個人で行う「iDeCo(個人型確定拠出年金)」
- 企業が主導して行う「企業型DC(企業型確定拠出年金)」
です。
「iDeCo(個人型確定拠出年金)」については前回説明しましたね。
そして、前回のiDeCo(イデコ)でも説明しましたが、老後に公的年金だけで暮らしていけるの?という心配がありますよね。
自分の年金は自分で準備しなければならない時代になったと言えるのです。
そこで、確定拠出年金(企業型、個人型)という制度の登場です。
政府が自分で年金を用意するなら税金を優遇しますよ、と言って作られた制度が企業型DCと個人型DC(iDeCo)なのです。
企業型DC(企業型確定拠出年金)とは
「企業型DC」とは企業が掛け金を積み立てて、加入者である従業員が対象の金融商品の中から商品を選んで、自ら運用を行う年金制度です。
公的年金(国民年金、厚生年金、共済年金)に加えて任意で導入ができる企業年金の一種になります。
会社が出してくれたお金で、運用は自分ですることになるので、将来受け取れる年金の額は運用成績によって変わってくるのが特徴です。
ちなみに企業で働く従業員が加入できる企業年金には、他に厚生年金基金や確定給付企業年金もあります。
ここでは深くは触れませんが(^^;
そしてiDeCo同様、60歳以降に積み立てた資金を受け取ることになります。
受け取り方法も「一時金」として、「分割して受け取る年金」として、選んで受け取ることができます。
どちらも併用してといった形でも可能です。
掛け金について
企業型DCの掛け金は企業が拠出します。
そして、掛け金には上限が決められています。
- 他の企業年金がない場合は月額55,000円
- 他の企業年金と併用する場合は月額27,500円
※「他の企業年金」とは先ほど話した厚生年金基金や確定給付型企業年金のことを言います。
マッチング拠出について
企業型DCにはマッチング拠出という制度があります。
これは企業が拠出する掛け金に従業員自身も拠出する掛け金を上乗せすることができる制度で、任意で利用可能です。
給与所得とは認められないので所得控除のメリットがあり、社会保険料も軽減できるので、最大限活用した方が良いと思います。
但し、マッチング拠出の掛け金には上限があります。
- 企業からの掛け金の金額を超えないこと
- 企業からの掛け金との合計額で掛け金の拠出限度額を超えないこと
という2つの条件を満たさないといけないことになっています。
マッチング拠出の制度を採用していない企業もあるようですので、担当の部署に確認することが必要です。
「マッチング拠出」か「iDeCo加入」かを選択できる
法令の改正で、2022年10月から企業型DCの加入者に対してもiDeCo(イデコ)の加入要件が緩和されます。
そして、企業型DCの加入者も「マッチング拠出」か「iDeCo加入」かを選択することができるようになるんです。
運営会社が予め提示した商品ラインアップでは気に入らない場合はiDeCoを併用するのも良いかもしれません。
ただし、マッチング拠出を選択する場合、iDeCo(イデコ)を同時に利用することはできないので注意は必要です。
企業型DCのメリット
企業型DCへの加入は、いくつかのメリットがあります。
中でも最大のメリットは税制優遇だと思います。
メリット1.3つの税制優遇措置がある
企業型DCの最大のメリットは税制優遇措置が充実していることだと思います。
大きくわけて3つあります。
- マッチング拠出した掛け金について全額所得控除できる
- 運用益が非課税になる
- 受取時にも税制優遇がある
順番に説明していきますね。
1.マッチング拠出した掛け金について全額所得控除できる
マッチング拠出で上乗せした掛け金は給与扱いとならないのです。
給与とみなされると所得税や住民税がかかり、社会保険料の対象にもなります。
ですので、マッチング拠出で掛け金を上乗せすることにより、その掛け金が全額所得控除できて、社会保険料の対象外となります。
出来る限り、満額利用するほうがお得ですね。
2.運用益が非課税になる
iDeCo(イデコ)の時にも話しましたが、運用によって得られた運用益が全額非課税となります。
投資をした場合、売却して運用益が出たら、その運用益に20.315%(所得税15.315%+住民税5%)の税金がかかります。
企業型DCはこの運用益に対する約20%の税金を払わなくて済むのです。
これは非常に大きなメリットだと思います。
3.受取時にも税制優遇がある
受取時の受け取り方によって、税金の控除対象になり、税負担が減るといった税制優遇があります。
- 一時金とし一括で受け取る場合は「退職所得控除」
- 年金として分割で受け取る場合は「公的年金等控除」
が受けられます。
ただ、受け取り方法や受け取るタイミング、受け取り時のその他の収入(退職金など)によって複雑に変わってきますので、年金を受け取るまでに勉強しておきましょう。
メリット2.口座手数料は企業が負担してくれる
企業型DCでは口座管理手数料は企業が負担してくれるので、加入者である個人が負担する必要はありません。
iDeCoでは、口座手数料は個人で負担する必要があるので、企業型DCのメリットだと言えますね。
企業型DCのデメリット
次に企業型DCのデメリットを見ていきましょう。
- 60歳まで引き出せない
- いくらもらえるかは確定していない
- 希望する運用商品の選択肢がない場合がある
順番に説明しようと思います。
60歳まで引き出せない
企業型DCは、例外はあるものの、原則60歳まで引き出すことができません。
急にお金が必要になって引き出したいと思っても、企業型DCでは60歳まで引き出すことができないので注意が必要です。
いくらもらえるかは確定していない
運用商品の中には投資信託のように元本が保証されていない商品もあります。
ですので、運用商品の選択しだいでは元本割れのリスクもあります。
元本割れのリスクがあるのを分かった上で、運用商品を選ぶようにしましょう。
私は分かった上で、リターンを期待して株式の投資信託に資金投入しています。
希望する運用商品の選択肢がない場合がある
運用商品は事業主が契約した運営管理機関の取扱商品から選ぶことになります。ですので、運営管理機関で取り扱っていない商品は選ぶことができません。
私も企業型DCに加入していて、運用商品として「全世界株式」のインデックスファンドを選びたかったのですが、扱っていないようなので「外国株式(先進国株式)」のインデックスファンドに投資をしています。
企業型DCに加入するには?
お勤めの会社が企業型DCを導入していれば、従業員は原則、企業型DCに自動的に加入することになります。
企業型DCへの加入選択が可能なら、制度上のメリットが受けられるので加入した方がお得です。
企業型DCではどの商品で運用するか?
では、企業型DCでどのような商品で運用していけば良いのでしょうか?
まずは、企業型DCで扱っている主な商品について見ていくことにします。
企業型DCで扱っている主な商品
企業型DCの商品は主に次の2つがあります。
- 「元本確保型」 定期預金や保険
- 「元本変動型」 投資信託
「元本確保型」は定期預金や保険の運用なので、ほとんど利息がつきませんが、マッチング拠出分は所得控除による節税効果は得られます。
リスクを取りたくない人はこちらの方が向いていると思います。
ただ、10年、20年の長期運用を行う前提で考えると、リスクを取って「元本変動型」の株式運用メインの投資信託が良いのではないかと思います。
そして、株式運用メインの方がリターンも見込めるので、運用益が非課税となる節税メリットを最大限活かせることになると思います。
企業型DCでもインデックスファンド
企業型DCの口座で選ぶべき商品としては
- 手数料が安いこと
- インデックス型の投資信託
が良いと思います。
つまり、インデックス投資による運用ができるんです。
1.手数料が安い
企業型DCは金融機関を自分で選べないため商品ラインアップが限られていて、その中から運用商品を選ばなければなりません。
また、競争が激しく金融機関にとって採算が良くないため、手数料で儲けようと、手数料の高い商品ラインアップをそろえるところもあるようです。
信託報酬が0.5~0.6%、もしくはそれ以上の投資信託はボッタくり商品と言えます。
ですので、運用商品の信託報酬は0.2%前後、もしくはそれ以下のものを選ぶようにしたいです。
2.インデックス型の投資信託
そして、企業型DCの運用でもインデックス型の投資信託で運用をしていきたいです。
できれば、全世界の株価指数に連動する、
・全世界株式のインデックスファンド
もしくは先進国の株価指数に連動する
・先進国株式のインデックスファンド
のどちらかに資金投入するのが良いのではないかと思っています。
私は全世界株式のインデックスファンドの方に資金投入したかったのですが、私が利用している運営管理機関では扱っていないようなので、先進国株式のインデックスファンドに毎月資金を投入しています。
私が資金投入している投資信託を記載しておきます。
私が企業型DCで投資している投資信託
運用商品 | 信託報酬 | ベンチマーク |
---|---|---|
インデックスコレクション(外国株式) | 0.1728% | MSCI-KOKUSAI指数 |
債券を一定の割合で含む「バランスファンド」や、年齢に応じて債券を増やしていく「ターゲットイヤー型」の投資信託もありましたが、債券を含んでいるので私はやめています。
定期預金やボッタグリ商品で運用している人は、ちゃんとした商品で運用している人と比べると、退職時に大きな差が出ることになります。
運用商品は良く見極めて資金投入するようにしましょう。
企業型DCをどの様に活用するか?
企業型DCを含む確定拠出年金の大きな特徴は運用益が非課税であるということです。
つまり、運用期間中、非課税で、複利で運用できるのが確定拠出年金の非常に大きなメリットになります。
そのメリットを活かすために課税口座(特定口座)も含めた運用全体の中で、リターンが大きいと思われるものを確定拠出年金の口座で運用していくことが効率の良い運用だと思います。
私は運用益が非課税となる企業型DCの口座や、以前に説明したつみたてNISAの口座に期待リターンの大きい株運用のインデックスファンドを割り当てて、そこに納まらないものについて特定口座の中で運用していくようにしています。
表で表現するとこんなイメージです。
口座名 | 運用商品 | |
---|---|---|
企業型DCの口座 | 株式運用のインデックスファンド | |
つみたてNISAの口座 | 株式運用のインデックスファンド | |
特定口座 | 残りの株式運用のインデックスファンド | 債券および預金 |
特に債券は特定口座に割り当てておけば、企業型DCの口座内でリバランスをする必要もなくなります。
リバランスは特定口座のみで行う形となりますね。
全体を見てどのように利用したらリターンが大きくなるかを考えてもらえればと思います。
まとめ
企業型DC(企業型確定拠出年金)について大まかに説明しました。
メリットとデメリットおよび活用方法について再度まとめていきます。
メリット1.3つの税制優遇措置がある
1.マッチング拠出した掛け金について全額所得控除できる
2.運用益が非課税になる
3.受取時にも税制優遇がある
メリット2.口座手数料は企業が負担してくれる
- 60歳まで引き出せない
- いくらもらえるかは確定していない
- 希望する運用商品の選択肢がない場合がある
- 企業型DCの口座では「全世界株式」もしくは「先進国株式」のインデックスファンドを運用する
- 企業型DCの口座とつみたてNISA口座では株式運用のインデックスファンドで運用し、そこに納まらないものを特定口座で運用する
企業型DCのメリットを最大限活かして活用してもらえたらと思います。