上から光が差し込む木のテーブルの上に聖書を開けなさい。(教会のコンセプト。)

どうも。投資侍です。 

今回は私が投資を始めた当初に読んだ投資のバイブルとも言える本の話しです。
チャールズ・エリスと言う人が書いた「敗者のゲーム」というタイトルの本になります。

最近、また読み直してみましたが、学ぶべきことが多い本だと改めて感じています。

主に証券投資の原理・原則について、ちょっと小難しい言葉で書いてあります。
255ページ程ありますが、簡単にまとめてみました。

まず、今回の記事のタイトルにある
「投資において勝つために、勝ち続けるために、最も簡単な方法は?」
という内容の結論から言いますと、

投資において勝つために、勝ち続けるために、最も簡単な方法はインデックスファンドを活用する方法である。

引用元:チャールズ・エリス「敗者のゲーム」【原著第5版】より

と言っています。

そして、本を読み進めていくと、
・インデックス投資は何が良いの?
・インデックスファンドをどう運用していけば良いの?
といったことが分かります。

本文の引用を通して、これらの内容を説明していこうと思います。

その前に、まずはインデックスファンドをおさらいしようと思います。

インデックスファンドのおさらい

インデックスファンドについては覚えているでしょうか?

アクティブファンドが市場平均を上回る収益を目指す投資信託であるのに対して、インデックスファンドは代表的な指数(インデックス)に連動して値動きする投資信託であると説明しました。
市場平均を目指す運用となると話しましたね。

また、指数(インデックス)とは株式の場合でいうと、日経平均とか東証株価指数(TOPIX)、NYダウとかいった指数がそれにあたると説明しました。

インデックスファンドは市場平均を保ったまま保有するだけの状態になり、銘柄を選んだり、基本的には売り買いもしないので、ファンドの維持管理のコストが安くなります。

思い出したでしょうか?

ここまでがおさらいです。 

「敗者のゲーム」ってどういう意味?

晴れた日にコートに座っている動揺したテニスプレーヤー
まずは「敗者のゲーム」という本のタイトルについてです。

変わった本のタイトルですよね。
私も「「敗者のゲーム」ってどういう意味だろ?」っと思いながら本を読んだのを覚えています。

その意味としては、個人投資家が投資に参加することをテニスでプレーすることになぞらえ

プロのテニスは勝つために行ったプレーで結果が決まる「勝者のゲーム」であるのに対し、アマチュアのテニスは敗者がミスを重ねることによって決まる「敗者のゲーム」なのである。

引用元:チャールズ・エリス「敗者のゲーム」【原著第5版】より

と説明しています。

プロの専門集団が競争している中に、素人がノコノコ入っていくことへの危険性について話しをしているんですね。

素人はミスを重ねることで自滅すると。
それを「敗者のゲーム」と例えています。

そして、

「市場に勝つ」ことを目指して「敗者のゲーム」に参加すれば、負けはほぼ見えている。

引用元:チャールズ・エリス「敗者のゲーム」【原著第5版】より

と言っています。

個人投資家が耳寄りの話だと思う情報も、おそらくプロの投資家はすでにその情報を知っていて、個人投資家の知る頃には株価に織り込まれていると言うのです。

そして、

要するに、私たち個人投資家の売買相手とは、圧倒的な情報・知識・経験を備えた大機関投資家だということを忘れてはならない。

引用元:チャールズ・エリス「敗者のゲーム」【原著第5版】より

と警告しています。

素人がプロのテニスプレヤーにテニスで挑んでもほぼ負けは決まっていますよね。
投資についても同じことが言えるということだと思います。

誰かのミスを突いて一時的に利益を上げることはできるかも知れないですが、大量の情報や知識、経験を持っているプロを出し抜いて、素人が長期的には勝ち続けることが至難の業となっている表れだということだと思います。

 そして、

投資とは「敗者のゲーム」なのである。

しかし「敗者のゲーム」に勝つ方法もある。
それは、そもそもプレーしないこと、少なくとも、時代遅れとなった従来のルールでプレーしないことである。

引用元:チャールズ・エリス「敗者のゲーム」【原著第5版】より

こう結論付けて、インデックスファンドを勧めています。

市場平均に勝ち続けることはプロでも困難!?

灰色の壁の近くに立ち、落ちてくるグラフを持つ、思慮深い若い実業家の側面
本を読むと、市場平均を上回るような収益を上げ続けることがいかに難しいかということが書かれています。
つまり、アクティブファンドに投資することついて警鐘をならしている内容が多いです。
市場平均に負けていると。

8割以上のプロが市場に負けている!?

「市場平均を超える」という目標に反して、アメリカのプロの運用機関は全体として市場平均に負けているのである。

引用元:チャールズ・エリス「敗者のゲーム」【原著第5版】より

さらに

圧倒的な競争力と情報を持ち、機敏に行動する大機関投資家が増えるにつれ、投資の現実を直視することがますます重要となってきた。しかも過去20年間、八割以上の専門運用機関は市場に負けてきたのだ。

引用元:チャールズ・エリス「敗者のゲーム」【原著第5版】より

圧倒的な競争力や情報をもってしても、8割以上の専門運用機関、つまりプロが市場に負けてきたというのはすごい数字ですよね。
なので、結局、2割以下しか市場平均に勝てない。

「でも、2割も勝てるならそこに頼めば良いんじゃないの?」と思うかもしれませんが、そうしたファンドを事前に見つけることが難しいとも書かれています。

以前は9割が個人投資家、1割がプロの運用機関だったようで「市場に勝つことができる」という考えが大勢を占めていたようです。
それが、時代が変わり、現在では9割がプロの運用機関、1割が個人投資家となり、プロでも市場に勝つことはできなくなっていると書かれています。

なぜプロでも市場平均に負けるのか?

では、現在はなぜプロでも市場平均に負けるのでしょうか?

プロのファンドマネージャーが極めて優秀だから!?

それはプロの能力が足りないとか、努力が不足しているなどということではなく、むしろ逆で、プロのファンドマネージャーたちが極めて優秀で、真面目で、しかもその数が非常に多いからであると言っています。

ネットが利用されている現代において、情報は世界中のプロの投資家に瞬時に伝えられ、情報を受け取った投資家は他の投資家が動く前に、すぐさま行動を起こします。

そのため誰もが優劣をつけがたくなり、競争相手より常に優位に立つことは難しくなっています。
だからこそ、長期にわたって他のプロよりも「大きく勝つ」ことは、ほとんど不可能になってきていると言っているのです。

情報が瞬時に伝わり優秀な人が大勢いるので、出し抜くことが難しくなっているということですね。

コスト面でも

また、市場平均を上回る収益を目指すアクティブファンドは投資のプロのファンドマネージャーが有望な銘柄を求めて、情報収集と分析を行い、銘柄の売買を積極的に行っていきます。
そのため、プロのファンドマネージャーの人件費だったり、銘柄の売買のための手数料がかかってきます。

結果、ファンドを維持するためのコストが高くなるのです。

ですので、こうしたコストを引く前で、プロのファンドマネージャーが市場平均以上の成績を上げたとしても、これらのコストを引くと市場平均を下回るものになることが多いと。
そのため市場平均に負けてしまうということなんです。

市場平均を目指す運用のインデックスファンドを勧めている

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プロの運用機関が運用するアクティブファンドでは市場平均に勝てないことを説明した上で、インデックスファンドを勧めています。

市場に負けることはありえない!

結局のところ、運用機関が市場に勝てないのであれば、その時にこそ、市場を忠実に反映し、したがって市場に負けることはありえないインデックスファンドへの投資を、少なくとも考えてみるべきだ。

引用元:チャールズ・エリス「敗者のゲーム」【原著第5版】より

インデックスファンドは、面白くもおかしくもないが、とにかくワークする。
運用成果を測定している会社のデータによれば、インデックスファンドは、長期的にはほとんどのポートフォーリオ・マネージャーを打ち負かしていると言える。

引用元:チャールズ・エリス「敗者のゲーム」【原著第5版】より

としています。

そして、全米の投資家 ウォーレン・バフェットさんのコメントも書かれています。

ほとんどの投資家(個人・機関投資家を問わず)にとって、株を保有する最善の方法は、手数料の低いインディックス・ファンドに投資することである。手数料やコストを差し引いた後でも、ほとんどの運用機関を上回る成果をあげることができるだろう。

引用元:チャールズ・エリス「敗者のゲーム」【原著第5版】より

 このように言っています。

結局、8割以上のプロの専門運用機関が市場に負けてきたということを考えると、市場平均を目指すインデックスファンドを活用することで8割以上のプロに勝つことになると言うことができますね。

投資の素人である自分はこういった内容やコメント見て、インディクスファンドに投資しようと思った次第です。

ほったらかし運用の源泉って!?

実際、マーケットがプロによって支配されるようになった今、市場の動きはまさしくプロの動きの総和を示す。
新しい情報が発生し、プロが判断を変えるたびに市場も動く。
市場の動きはプロの「コンセンサス」をリアル・タイムで映す。

引用元:チャールズ・エリス「敗者のゲーム」【原著第5版】より

と言っています。

この
市場の動きはまさしくプロの動きの総和を示す。」とか
市場の動きはプロの「コンセンサス」をリアル・タイムで映す。」という言葉が私には響きました。

結局、プロが運用した結果で市場の平均値が決まる。
つまり、インデックスファンドを保有しているだけで、何もしなくてもプロの運用の平均値は確保されるということになりますよね。

それがこの文章に表れています。

インデックスファンドはそもそも何もしなくても、マーケットの動きについていくことができる。

引用元:チャールズ・エリス「敗者のゲーム」【原著第5版】より

保有しているだけで、何もしなくてもいい!!
ここがほったらかして運用できる源泉です。

そして、本の中でもこう言っています。

インデックスファンドを買うことは、投資の「ドリーム・チーム」の総意を集結したのと同じ意味を持つ。

引用元:チャールズ・エリス「敗者のゲーム」【原著第5版】より

プロの運用した結果で市場平均は決まりますよね。
そのプロの運用した成果をそのまま反映できるインデックスファンドはまさにドリーム・チームの総意を集結したのと同じ意味を持つと言っているのです。

長期的に運用することで収益が期待できる

そして、投資の長期運用を勧めています。

長期運用のすごさの分かるグラフの記載がありました。
私はこの2つのグラフを見て、投資を実践してみることを後押しされたと言っても良いぐらいです。

また、複利効果についても書かれています。
順番に説明しますね。

アメリカの投資リターン実績について

アメリカ資本市場の投資リターン実績
引用元:チャールズ・エリス「敗者のゲーム」【原著第5版】 P86 図7-1 アメリカ資本市場リターン実績より

このグラフを見ると長期的に株式、債券共に価格は上昇していってるのが分かります。
短期的には下落もあるかもしれませんが、長期的に見ると株も債券も価格は上昇していくということだと思います。

株に至っては1ドルで購入したものが約80年後には約3,200倍になっています!!
アメリカ経済が成長していっているのが分かりますよね。

「80年も待ってられないよ~」って思うかもしれませんが。
80年は現実的でないにしろ、10年、20年なら実現可能なのではないでしょうか。

リスクについて

また長期で運用するとリスクも小さくなって、リターンが安定してくるということも書かれています。

インフレ調整後の株式・債券・キャッシュの収益変動幅(1900-2000年)
引用元:チャールズ・エリス「敗者のゲーム」【原著第5版】P70 図6-1 インフレ調整後の株式・債券・キャッシュの収益変動幅(1900-2000年)より

リスクと言うと「不確実性」という意味に捉えがちですが、運用の世界ではリスクとは金融商品の価格が上がったり下がったりする「振れ幅の大きさ」のことを言います。

つまり、リスクが大きいとは価格がプラスマイナスへ動く振れ幅が大きいことを言うのです。

グラフを見ると長期運用をしていくとリスクも小さくなりリターンも安定してくることが分かります。
株式については1年の運用だとリスクが大きいですが、25年経過するとリスクも小さくなりマイナスになっていないですよね!!

そして、こんな文章もあります。

十分な時間が与えられれば、一見魅力的とは思えない運用も大変有効なものになる。
運用期間が長ければ長いほど、ポートフォーリオ全体の実際の収益率は平均収益率に近づく。

引用元:チャールズ・エリス「敗者のゲーム」【原著第5版】より

また、こんなコメントもありました。

株式のリターンは短期的には不安定であるが、5年間保有すれば、だいたいプラスになる。
10年でマイナスになることはほとんどない。
つまり、株式投資へのリターンは長期的にはプラスになる。

引用元:チャールズ・エリス「敗者のゲーム」【原著第5版】より

株式投資については少なくとも5年以上、できれば10年以上は運用を続けていくことが重要だということですね。株式に投資する投資信託もありますので、できれば10年以上は保有したいです。

こういったことから株式や債券などの金融資産は、短期では激しく価格が上下しますが、10年以上という長い期間で見ると利回りが安定してくるということが分かると思います。
あくまで、過去のデータではという条件付きですが。

複利効果について

長期で運用することで、複利の効果が大きな差になると言っています。

白い砂を持つ黒い砂時計と、それに寄りかかる2つのユーロ硬貨と、その横に硬貨のホチキス止めを持つ

下記の表は長期間投資で運用した場合、複利効果で1ドルがいくらになるか計算したものです。

期間投資別の複利効果の表
引用元:チャールズ・エリス「敗者のゲーム」【原著第5版】P89 表7-1 投資期間別の複利の効果にブログ管理者が追記

この表を見ると、利率5%で5年運用すると1.2倍程度なのが、20年運用すると何もしなくても2.5倍以上になることが分かりますね。

そして、こう言っています。

短期では小さく見える収益率の差も、複利・長期で見ると非常に大きな差になってくるということである。
(利息が投資元本についてだけでなく、利息の再投資の結果得られる利息に対してまでも支払われるからだ)。

引用元:チャールズ・エリス「敗者のゲーム」【原著第5版】より

人類最大の発見は「複利の考え方」だと、アルベルト・アインシュタインは言っている。

引用元:チャールズ・エリス「敗者のゲーム」【原著第5版】より

長期間運用することで複利効果ががいかに大きな力を発揮するか分かりますね。


長期運用の必要性が分かってもらえたのではないかと思います。
「時は金なり。」よく言ったものです。

長期間の投資運用を勧めているのもこういった理由からです。

まとめ

以上、「敗者のゲーム」を読んで分かったことをまとめますと、

インデックスファンドは
  • 8割以上のプロに勝つことができる。
  • ほったらかして運用ができる。
  • 長期的に運用することで収益が期待できる。

    低コストでほったらかして運用のできるインデックスファンドを長期運用することで、素人でも勝ち続ける投資ができるのが分かってもらえたのではないかと思います。

    「投資において勝つために、勝ち続けるために、最も簡単な方法はインデックスファンドを活用する方法である。」

    あなたも、投資に勝つために、勝ち続けるために、インデックスファンドに投資してみてはどうでしょうか?